県議会の動き 高崎進

中小企業の人材確保を後押し 奨学金返還支援制度が実現

深刻化する人手不足に直面する県内中小企業を支援するため、令和8年度の茨城県当初予算に「茨城県企業支援型奨学金返還支援事業」が新たに盛り込まれました。県内企業で働く若者の奨学金返済を企業が支援し、その企業の取組を県が補助する仕組みです。県内企業の人材確保と若者の定着を同時に後押しする新しい制度として、大きな期待が寄せられています。

近年、全国的に企業の人手不足は深刻化しています。帝国データバンクの調査によれば、2025年7月時点で正社員の人手不足を感じている企業は全国で50.8%に達しています。茨城県内ではさらに高く、正社員不足を感じている企業は52%にのぼり、全国平均を上回る状況となっています。とりわけ建設、運輸、卸売などの分野では人材不足が顕著であり、地域経済の基盤を支える中小企業にとって、人材の確保と定着は喫緊の課題となっています。

こうした状況を踏まえ、茨城県議会公明党の高崎進県議は、以前から「奨学金返還支援制度」の導入を提案してきました。令和7年の予算特別委員会においても、中小企業の人手不足解消と人材確保に向けた具体策として、企業による奨学金返還支援を県が後押しする制度の必要性を訴えました。

大学進学の際に多くの若者が利用している奨学金は、卒業後の生活設計に大きな影響を与えます。奨学金の返済は長期間にわたるため、就職先を選ぶ際の重要な要素にもなっています。そこで企業が返済の一部を支援することで、若者の経済的負担を軽減し、県内企業への就職や定着を促進する効果が期待されます。

今回実現した制度では、県内企業で働きながら奨学金を返済している従業員に対し、企業が返済支援の手当を支給する、あるいは代理返還を行う場合、その企業に対して県が補助を行います。補助率は企業負担の2分の1、補助額は従業員1人当たり年間最大6万円で、最長3年間支援が行われる仕組みとなっています。

また、近年は企業が直接、日本学生支援機構へ返還を行う「代理返還制度」が整備されており、この方式では支援額が所得税の対象とならず、社会保険料も増えないため、若者にとっても実質的な負担軽減につながります。企業にとっても福利厚生の充実や採用力の強化につながるメリットがあります。

人口減少が進む中で、地域経済を支える中小企業の活力を維持していくためには、若者が安心して働き続けられる環境づくりが欠かせません。今回の制度は、若者の将来を支えながら企業の人材確保を後押しする、いわば「人への投資」と言える政策です。

茨城県議会公明党はこれからも、県内企業の持続的な発展と若者が安心して働き暮らせる地域社会の実現に向け、現場の声を大切にしながら政策提案を重ねてまいります。