村本修司 行財政改革

新たに笠間栗ファクトリーに出資/県有施設・県出資団体等調査特別委員会

3月25日、村本修司議員が委員を務める「県有施設・県出資団体等調査特別委員会」が開催されました。

「県有施設・県出資団体等調査特別委員会」は、人口減少社会における県有施設の今後の方向性や売却などの処分の妥当性、県出資団体などの事業の在り方、経営改善方策などについて、重点的に調査・検討を行うことを目的に、令和5年7月に設置されました。これまで7回の委員会を開催し、活発な議論を行ってきました。

2月7日には、施設の状況をよく把握した上で委員会に臨むため、教育研修センター、堀原運動公園および笠松運動公園の現地調査を行いました。

2月13日には第6回委員会を開催し、現地調査を行った3つの施設を含む、県有施設・県出資団体などについて、執行部からの説明聴取を行い、委員と執行部の間で活発な議論が交わしました。

3月25日の第7回委員会では、これまで現地調査や委員会での審議を行ってきた国民宿舎「鵜の岬」およびカントリープラザ「鵜の岬」について、改めて執行部からの説明聴取を行い、これに対する質疑を行いました。また、鹿島セントラルビル、県民の森など(県民の森、植物園、森のカルチャーセンターおよびきのこ博士館)および里美野外活動センターについて、執行部から取り組み状況の報告を受け、質疑を行いました。

さらに、新たに県が出資しようとする笠間栗ファクトリー株式会社についても、執行部から出資する狙いや考えを確認した上で、委員と執行部の間で意見交換が行われました。
「県有施設・県出資団体等調査特別委員会」では、今年度も各県有施設・県出資団体などについて、引き続き審査を進めて行く予定です。

【笠間栗ファクトリーへの新たな出資について】

茨城県は令和6年度、「笠間の栗」のブランド力強化に向け、栗の加工・製造などを行う「笠間栗ファクトリー」に出資することになりました。冷蔵施設を整備し、年間を通した原料の安定供給体制を確立。食品加工の専門家を配置し、品質向上を図ります。生産から販売まで、地域と一体となった仕組みを構築し、販路を広げ、笠間の栗の普及拡大を目指します。

茨城県の2022年度の栗生産量は3670トン。栽培面積、収穫量ともに全国1位を誇ります。特に笠間市は、全体の約3割を占める最大の栗産地です。
栗は県がPRに力を入れる農産物の重点5品目の一つです。モンブランブームなど栗の加工品の需要が高まる現状を好機と捉え、県は本年度、笠間栗ファクトリーに3500万円を新たに出資します。

具体的には、①冷蔵施設の整備などによる原料供給の強化②生産ラインのフル稼働による加工品の供給拡大③加工品を活用した名産品の開発④名産品を柱とした笠間市への集客促進の4本柱を挙げています。さらに、食品加工の専門家1人を配置し、品質向上を図ります。
笠間栗ファクトリーは2021年、笠間市とJR東日本、JA常陸の3者で設立されました。2022年秋から栗加工品の製造を開始。栗の収穫時期に合わせ、9月から2月中旬まで半年の期間限定で「栗ペースト」や「甘露煮」「むき栗」を製造してきました。硬い皮をむき、生の栗を加工する手間が省けると好評で、販売先はJR系列のホテルや県内外の和洋菓子店など年々拡大。現在の取引先は150社以上に拡大しました。今秋からは「渋皮煮」の販売も手がけます。

原料の栗はJA常陸を中心に、一部個人農家から仕入れています。2023年は計72トンを購入しましたが、工場を年間フル稼働する量には達しておらず、原料を保管する冷蔵施設を整備することで、安定供給につなげる方針です。加工に向く大きさの栗が十分に確保できれば、年間を通して製造する体制が取れるとしています。

東京都中央卸売市場の統計では、京都府産の1キロ当たり2464円に対し、茨城県産栗は1キロ当たり832円と、3分の1程度の価格に止まっています。茨城県としては、質(市場価格)・量(生産高)ともに日本一の栗産地を目指したい考えです。