県議会の動き 茨城県の話題

令和8年第1回定例会・知事提案説明

今、私たちの社会は大きなうねりの中にあります。ウクライナ情勢の長期化や米国の変質といった国際的な緊張に加え、国内では人口減少が加速し、2024年の出生数が70万人を割り込むという、まさに「国難」とも言える事態に直面しています。大井川知事は、この「失われた30年」のデフレ的均衡から脱却し、人手不足を前提とした新しい社会システムへの転換を訴えました。
そのための戦略として掲げられたのが、「差別化」「インフラへの投資」「多様な人財の活躍」という3つの重点視点です。

茨城を「選ばれる場所」にするための差別化戦略

知事が示した「差別化」の中でも、特に私の地元でもある日立市と日立製作所による「共創プロジェクト」への主体的な参画は、県北振興の起爆剤として大きな期待が寄せられています。これに加えて、里山での忍者コンテンツやコスプレイベント、さらにはアニメ産業の育成といった、これまでの行政の枠を超えたクリエイティブな仕掛けは、若者を惹きつけるための非常にユニークな一手と言えるでしょう。
農業分野においても、「有機農業と言えば茨城」というブランドを確立させるべく、独自の認証制度を創設する方針が示されました。これは、単に作るだけでなく、「茨城ブランド」としての付加価値を最大化し、稼げる農業を実現しようとする強い意欲の表れです。

県議会公明党の要望が反映された「安心・安全」の深化

今回の施政方針の中で、特に県議会公明党が長年訴えてきた「生活者目線」の政策が随所に反映されている点は見逃せません。
まず、子育て支援については、公立・私立高校の授業料支援の拡充や、小学校の給食費支援が盛り込まれました。これは家庭の経済状況に左右されず、誰もが等しく教育を受けられる環境を求める公明党の強い主張と合致するものです。また、新たに創設される「プレ妊活健診事業」や不妊治療の助成拡大も、子どもを望む世代へのきめ細かな配慮が感じられます。
防災・減災対策についても、東日本大震災から15年という節目を前に、さらに一歩踏み込んだ内容となりました。公明党が推進してきた「マイ・タイムライン」の普及や避難行動要支援者の「個別避難計画」の作成、さらには木造住宅への感震ブレーカー設置支援など、ソフト・ハード両面からの対策が強化されています。私自身、防災士として活動する中で、こうした現場に即した支援の重要性を痛感していますが、今回の予算案にはその具体策がしっかりと盛り込まれています。

秩序ある共生社会と未来への投資

もう一つの注目点は、外国人材との向き合い方です。深刻な人手不足に対応するため、日本語教育の充実や地域への融和を進める一方で、不法就労などのルール違反には厳格に対処するという「秩序ある共生社会」の構築が強調されました。新たに「外国人政策チーム」を設置し、条例制定も視野に入れるという踏み込んだ姿勢は、全国のモデルケースとなるかもしれません。
さらに、つくばエクスプレスの土浦延伸や茨城空港の機能強化、県立病院の再編など、次世代を見据えたインフラ投資も着実に進められます。これらは単なる建設事業ではなく、本県の潜在能力を引き出し、将来の県民所得を支えるための「未来への布石」です。

大井川知事が掲げる「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現。それは、知事の強力なリーダーシップと、県民の声を拾い上げ政策に昇華させる県議会、とりわけ公明党のような生活者優先の視点が組み合わさって初めて加速するものだと感じました。
1兆3,599億円という過去最大規模の予算が、どのように県民一人ひとりの幸福実感につながっていくのか。元議員として、そして一県民として、これからの議論を注視していきたいと思います。