子育て支援 教育

学校給食費の抜本的負担軽減へ――2026年4月から全国でスタート

2026年4月から、公立小学校を対象にした学校給食費の「抜本的な負担軽減」が全国で始まります。いわゆる“給食無償化”と報じられていますが、今回の制度はあえて「無償化」という言葉ではなく、「抜本的な負担軽減」と位置付けられました。そこには大切な意味があります。

国は、児童1人あたり月5,200円を上限として支援する仕組みを創設し、「給食費負担軽減交付金」により自治体を後押しします。しかし、自治体ごとの給食費がこの基準額を上回る場合には差額が生じる可能性があります。つまり、全国一律で完全無償になるとは限らない設計となっているのです。

それでは、茨城県内ではどうなるのでしょうか。日立市、水戸市、土浦市、つくば市の現状を整理すると、自治体ごとの取り組みの違いが見えてきます。

まず日立市では、令和5年4月からすでに学校給食費の無償化を実施しています。小学生は月4,340円、中学生は月4,960円を目安とし、保護者負担ゼロを先行して実現してきました。さらに令和6年度からは、アレルギーなどで給食を利用できない児童生徒への補助も導入しています。今回の国制度は、日立市の先進的な取り組みを財源面で支える形となり、持続可能な制度運営を後押しすることが期待されます。

水戸市も段階的に無償化を進めてきました。令和5年度から中学校給食費を無償化し、令和6年度に小学校を半額、令和7年度からは小学校も無償化としています。小中ともに無償化が進む中、国の制度は自治体の努力をさらに下支えする役割を果たすことになります。

一方、土浦市は令和5年10月から令和8年3月まで、市立小中学校など23校の給食費を無償としています。ここで注目すべきは、国制度が始まる2026年4月の直前までが市独自無償化の期限である点です。令和7年度の給食費は小学校5,280円、中学校5,910円とされており、小学校分は国の支援上限5,200円をわずかに上回ります。差額をどう扱うかが今後の制度設計の焦点となります。国制度を活用しつつ、完全無償を維持できるかどうかが問われます。

つくば市では、現時点で給食費そのものの市独自無償化は実施していません。給食費は小学校4,100円~4,300円、中学校4,700円と設定されています。小学校については国の支援上限内に収まっているため、制度運用次第では実質的に保護者負担ゼロに近づく可能性があります。ただし、今回の国制度は原則として公立小学校が対象であり、中学校給食費まで自動的に無償になるわけではありません。中学校まで拡大するかどうかは、今後の政策判断に委ねられます。

こうして比較すると、今回の制度は自治体間の差を一挙に解消するものではありませんが、小学校段階での家計負担を確実に軽減する大きな一歩です。先行して無償化を実現してきた自治体は持続可能性を高める機会となり、まだ実施していない自治体にとっては前進のきっかけとなります。

学校給食は、単なる家計支援策ではありません。子どもたちの健やかな成長、学びの基盤づくり、地産地消や食育の推進、さらには災害時の食の備えにもつながる重要な社会インフラです。物価高騰が続く中でも、量や質を落とさず、安心して子どもたちに提供できる体制を整えることが求められています。

茨城県議会公明党は、「教育の党」として、地方に新たな負担を生じさせない仕組みの実現を重視しながら、子どもたちの未来を支える政策を着実に前へ進めてまいります。国と地方のネットワークを生かし、現場の声を丁寧に受け止めながら、誰一人取り残さない教育環境の整備に全力で取り組んでまいります。