8月5日、茨城県の最低賃金について、県内の労使の代表などで作る茨城労働局の審議会は、1005円とする答申をまとめました。これにより、国の審議会が示した目安より2円高い52円引き上げられ、時給は初めて1000円を超えることとなりました。去年の引き上げ額42円を上回り、2002年度以降、最高額です。
最低賃金は企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で、厚生労働省の審議会が示した目安に応じて、都道府県で実際の引き上げ額について議論が進められます。
審議会では、▼全国的な賃上げの傾向や▼県外への人材の流出、それに、▼物価の上昇などを踏まえ、判断したとしています。
新しい最低賃金は異議申し出を受け付けたあとことし10月1日から適用される見通しです。
茨城地方最低賃金審議会の会長を務めた茨城大学の清山玲教授は「労使の主張の隔たりが大きく、52円というのはギリギリの水準となったが、最低賃金がようやく時給1000円を超え、東京圏への人材流出や男女の賃金格差の是正などの効果も期待できる」と話していました。
県議会公明党はこれまで、経済実態の正確な反映や、近隣他県との格差是正に向けた積極的な最低賃金の引上げが行われるよう求めてきました。今回答申された、最低賃金の引上げ額52円は、過去最高の引き上げであることは評価しますが、茨城県の経済実態が十分に反映されたものとは言えないと認識しています。
県内労働者の賃金の底上げを図るため、今後も引き続き、最低賃金の積極的な引上げについて、経済団体や関係機関に対し、働きかけを行ってまいります。