6月24日、茨城県議会公明党議員会(たかさき進、田村けい子、八島いさお、村本しゅうじ各県議)は、茨城県が日立市諏訪町の日立セメント太平田鉱山跡に整備を計画している、新たな産業廃棄物最終処分場予定地と太平田地区の簡易水道施設、日立市池の川下水処理場を現地調査しました。
先月26日、大井川知事は公共関与の新産業廃棄物最終処分場候補地を、日立市諏訪町の「日立セメント太平田鉱山跡」に決定したと発表。この太平田鉱山跡地は、昨年まで日立セメントが、その原料である石灰石を長年採掘していた鉱山です。
今回の現地調査は、現場を正しく把握し地域住民の声をしっかりと県行政に反映させることを目的に実施されました。
また、住民説明会で心配の声があがった太平田地区の簡易水道の施設と処理水を受け入れる計画となっている日立市の下水処理場の状況も調査しました。
日立セメント太平田鉱山跡を現地調査
計画用地は、日立セメントがセメントの原料である石灰石を採掘していた太平田鉱山跡地であり、採掘後の地形を利用します。管理型最終処分場として約244万立方メートルを整備します。
概算整備費は、最終処分場や浸出水処理施設の整備費に約165億円、下水道等の付帯工事費や施工管理費等に約43億円、合計約208億円を見込んでいます。
良質の石灰石を排出した太平田鉱山は、昨年採掘を終了。堅固な石灰岩の地盤である跡地には、雨水が貯まり深い青の湖となっていました。
諏訪太平田地区簡易水道
平成28年に日立市の水道事業に統合された「諏訪太平田地区簡易水道」の設備。地下50メートルからくみ上げた地下水をもとに、現在、35世帯に供給しています。最終処分用地との水脈の関係は定かではありませんが、「日立市の一般水道に接続すべき」という議論が県議会公明党の中でありました。
日立市企業局池の川下水処理場
新産業廃棄物最終処分場は、安心安全で環境にやさしい施設を目指しています。廃棄物を埋設する処分場は、底や側面を有害物質が流れ出ないように遮水工事が徹底して行われます。国の基準以上に安全性を高めた多重構造を採用し、万が一、遮水シートに破損が生じても、漏水検知システムが設置し破損位置の特定・修復が可能な構造とします。その上で、埋立地に降った雨水は、遮水シートで受けて浸出水として集め、新たに建設する浸出水処理施設で処理します。公共下水道排除基準以下に浄化した上で、日立市の公共下水道へ放流する計画です。
この計画の前提として、日立市の下水処理施設の処理能力が、新最終処分場の排水を受け入れられるかを確認しました。
池の川下水処理場の処理能力は最大8万4000m3。現在は通常3万8000m3の処理を行っています。エコフロンティアかさまの事例を参考にすると、最終処分場からの排水は約400m3で、十分に処理能力は確保できることが明らかになりました。
なお、現状では下水管は諏訪梅林の場所までしか行っていないため、新最終処分場を稼働させるためには、約2.4キロ延長させる必要があります。