2025年3月23日、茨城県つくば市島名地区に「つくば西スマートインターチェンジ(IC)」が開通しました。圏央道(首都圏中央連絡自動車道)に新たに設けられたこのICは、常総ICとつくば中央ICの中間に位置し、ETC専用・24時間利用可能なスマートICとして整備されました。
つくば西スマートICの整備は、地元自治体の長年の要望に基づき、2015年に当時の国土交通大臣であった石井啓一氏によって事業化が決定されました。その後、2017年8月に正式に事業化され、2022年から本格的な工事が進められてきたものです。
今回の開通により、これまで約11キロと比較的長かった常総IC~つくば中央IC間の区間に新たな出入口が設けられ、つくば市西部地域から圏央道へのアクセスが大きく改善されました。たとえば、つくば中央ICまで約12分かかっていた地域からのアクセス時間が、つくば西スマートICの開通によっておおよそ6分に短縮されると試算されており、日常生活や物流、通勤通学などにおける移動の効率化が期待されています。
また、本ICは地域の防災面でも重要な役割を果たします。常総ICは鬼怒川および小貝川の浸水想定区域内に位置しているため、水害時の利用に制約が生じる可能性がありますが、内陸部に設けられたつくば西スマートICは、非常時の代替ルート(リダンダンシー)として、緊急物資の輸送や避難経路の確保に資するものとされています。
加えて、IC周辺の上河原崎・中西地区、島名・福田坪地区などの住宅地や工業団地からのアクセスが向上することで、地域の定住促進や産業活動の活性化にも寄与することが期待されています。つくばエクスプレス万博記念公園駅からも約1kmと近接しており、今後の交通結節点としての機能強化が注目されています。
観光面では、年間200万人以上の来訪者がある筑波山エリアへの新たなアクセスルートとして活用される見通しです。つくば市内の混雑箇所を回避できるルートが確保されることで、周遊性の高い観光導線の形成にもつながるとみられます。