茨城空港の令和6年度(2024年度)の利用者数が過去最多となる77万6,063人を記録し、開港以来初めての快挙となりました。
これは前年度比で約3%の増加であり、国内外の航空需要の回復と茨城空港の利便性向上が相まって、確かな成長の歩みを示すものです。
特に国内線では、旅行需要の回復を背景に70万9,928人が利用し、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年度と比較しても10%以上多い数字となりました。国際線では、再開された上海便や、韓国・清州(チョンジュ)とのチャーター便の影響により、利用者数が前年比37%増の6万6,135人に達しました。国際線についてはまだコロナ前の水準には届いていないものの、今後のさらなる拡大が見込まれます。
こうした利用者増加に対応し、茨城県では「茨城空港のあり方検討会」を設置し、空港の将来像を示すビジョン案を策定しました。このビジョンでは、2040年代に年間170万人の利用を目指し、段階的な空港機能の強化に取り組む方針が示されています。
ビジョン案には以下のような主要施策が盛り込まれています。
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ターミナルビルの拡張・機能強化
旅客の増加に対応するため、保安検査場や待合室、手荷受取場の拡張と自動化を進め、効率的な受け入れ体制を構築します。 -
取付誘導路の複線化と平行誘導路の整備
航空機のスムーズな離着陸を可能にするため、2020年代後半をめどに複線化を着手し、エプロン(駐機場)の拡張や平行誘導路の整備も進めていきます。 -
駐車場の利便性向上
ターミナル拡張や駐機場整備に伴い影響を受ける駐車スペースについては、有料化や予約制の導入、立体化などを検討し、需要に応じて柔軟に対応する方針です。 -
大型機就航への対応と施設の脱炭素化
滑走路の舗装厚の確保や給油施設の整備など、大型機に対応する環境整備を進めるとともに、ターミナルビルや事務所施設の省エネ化、照明のLED化、太陽光発電やEV車両の導入など、環境負荷軽減にも積極的に取り組みます。
現在、茨城空港は1時間あたり国内線・国際線それぞれ最大1便の受け入れを基本としていますが、2023年10月以降は緩和措置により、同時に複数便が離発着するようになりました。そのため保安検査場や待合室、チェックインカウンターの混雑が課題となっており、施設の機能強化が急務となっています。
こうした課題への対応と将来の利用者増加を見据え、ビジョン案では今後の旅客数目標として、2020年代に約110万人、2030年代に約150万人、2040年代には170万人と段階的な成長を掲げています。約15年で利用者を倍増させることを目標に、県全体として空港整備を推進してまいります。
茨城空港は、百里基地との共同利用という特性を活かしながら、観光・ビジネスの両面で「地域の空の玄関口」としての役割を担っております。公明党茨城県議団としても、利用促進と空港機能の強化に向けて、引き続き現場の声を大切にしながら、実効性ある政策の提言と実現に全力で取り組んでまいります。