9月12日、茨城県議会公明党は、JAグループ茨城から「農業振興と地域医療に関する要望」を受けました。要望は、農業基盤整備の別枠予算の確保、食料安全保障の強化、消費者理解の促進、水田農業の確立、高温障害対策、環境負荷の低減、農業外国人材対策、そして医療機関への支援と、7項目にわたります。
なかでも地域医療の課題は深刻であることを改めて認識しました。JA茨城県厚生連は、県内で6病院と2診療所、看護専門学校を運営し、地域医療に大きな役割を果たしています。許可病床は約2,340床、救急車の受け入れは年間約2万件と、県全体の約2割を占めます。健診や在宅医療、災害時医療など病院外での活動も含め、地域全体を面で支える体制が築かれています。
土浦協同病院には救命救急センターや茨城県地域がんセンター、総合周産期母子医療センターが併設され、重症救急から出産まで一貫した対応が可能です。水戸協同病院は筑波大学附属病院の教育センターを持ち、医師養成の拠点としても機能しています。西南医療センター病院、JAとりで総合医療センター、高萩協同病院などもそれぞれ地域の中核を担っています。
一方で、行方市のなめがた地域医療センターは医師不足と経営難により入院機能が休止され、外来中心の診療となっています。地域住民からは入院・救急機能の復活を求める声が強く、私たちもその再建に向けた取り組みを後押ししてまいります。
厚生連病院は公益性の高い医療を担うがゆえに、経営は厳しい状況にあります。人件費や物価の上昇、医師の働き方改革対応、さらには消費税の「損税」構造が財務を圧迫し、2024年度は約19億8,500万円の赤字となりました。全国的にも病院の7割が赤字という深刻な状況です。
県議会公明党は、厚生連の救急・周産期医療や人材育成を維持・強化するため、県や市町村、大学、消防との連携をさらに進め、在宅医療・予防医療の充実、デジタル化による業務効率化、制度面での損税是正や診療報酬適正化を国に強く働きかけてまいります。地域の皆さまが安心して医療を受けられる体制を守り、持続可能な地域医療の実現をめざして、引き続き全力で取り組んでまいります。