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山本美和議員が引きこもり支援と不登校対策を質問/茨城県議会一般質問

2025年10月7日、茨城県議会で行われた一般質問において、公明党の山本美和議員が「ひきこもり支援」と「不登校支援」について質問しました。

山本議員は、ひきこもりが若者だけでなく中高年層にも広がる中で、県が設置した「ひきこもり相談支援センター」が年間500人以上を支援し、社会的孤立を防ぐ拠点として重要な役割を果たしていることを評価しました。
一方で、教育、福祉、医療、就労など複数の課題が絡むひきこもり支援には、教育機関を含む関係部局とのさらなる連携強化が必要だと指摘しました。
また、支援の目標を「就労」など一律の“自立”ではなく、本人が自分の生き方を選び取る“自律”に置くべきだと提案。「自己肯定感を回復し、安心して相談できる環境づくりが何よりも大切」と訴えました。

これに対し、福祉部長は「センターは精神保健福祉士や公認心理師ら専門家を配置し、訪問・面談を通して支援を継続しており、県内のひきこもり支援の中核拠点として一定の成果を上げている」と答弁。
さらに「教育機関や保健所、市町村とのネットワークを強化し、地域ごとに情報共有を進める」と述べ、拠点機能の充実に意欲を示しました。

また、山本議員は「不登校からひきこもりにつながるケースを防ぐには、教育現場と福祉機関の連携が不可欠」として、不登校支援の現状と課題にも言及しました。

教育長は「県内全ての学校にスクールカウンセラーを配置し、6,600件の相談に対応。スクールソーシャルワーカーも600件に関わり、支援効果が着実に表れている」と答えました。
さらに、県が全国で唯一、不登校児童生徒数を減少させた実績を報告し、「ひきこもり支援センターとの連携をさらに強化し、教育と福祉が一体となった切れ目のない支援体制を進める」との方針を示しました。

山本議員は最後に、「ひきこもり相談支援センターは当事者や家族にとって支援の第一歩。地域格差のない支援体制の拡充を」と要望し、質問を締めくくりました。

茨城県ひきこもり相談支援センター

茨城県には、ひきこもり状態にある方とそのご家族を支える拠点として「茨城県ひきこもり相談支援センター」があります。通称「いばらきひきこもり支援センター」として親しまれ、「どうしたらいいか分からない」という思いを抱える人たちの声に、まず耳を傾ける存在です。

このセンターでは、「これから、どうするか?」を一緒に考えることを大切にしています。相談は電話・来所(要予約)・メール・オンライン・訪問と多様な形で受け付けられており、費用は無料です。困難を抱えたまま立ち止まっている人に対して、無理をせず、あせらず、自分のペースで歩み出せるように支援の扉を開いています。

センターのモットーには「あせらない・あわてない・あきらめない」という言葉があります。支援には正解はなく、その人それぞれの歩幅とタイミングを大切にしながら寄り添う姿勢が表れています。

相談業務だけでなく、支援ネットワークとの連携や情報発信もセンターの重要な役割です。県内 5 地区(県北・県南・県西・鹿行・県央など)で「ひきこもり支援フォーラム」が開催され、地域の相談機関や行政・福祉機関との協働を深めています。また、講演会や SNS、パンフレットなどを通じて、ひきこもり問題への理解を広げる活動も行われています。

さらに、このセンターでは「居場所づくり」にも取り組んでいます。たとえば、筑西市のしもだて地域交流センター「アルテリオ」を会場として、毎月第1土曜日に「フリースペース アース」という自由参加型の居場所を開設しています。参加は無料で、ゲームをしたり雑談をしたり、無理なくゆったり過ごせる場です。また、女性のひきこもり状態の方を対象とした「アイリス女子会」も開催されており、同じような悩みを持つ人どうしがつながれる時間になっています。

相談実績も年々増えており、センター設立以来、多くの相談を受けてきました。茨城県内すべての 44 市町村を対象に、出張相談も定期的に行っており、地域の“相談しにくい場所”にも支援の手が届くよう配慮されています。

支援センターの窓口は、筑西市西方1790-29 にあり、電話番号は 0296-48-6631、開所は火曜日から土曜日の午前 9 時~午後 6 時(祝祭日および年末年始を除く)です。