10月21日、茨城県議会予算特別委員会において、公明党の高崎進議員は、防災体制の強化に関し、主に防災士の活用と遠地津波への対応の2点について質問を行いました。
まず、地域安全に欠かせない存在である“防災士”について、高崎議員は、令和7年8月末時点で県内に6,631人の防災士がいる現状を踏まえ、国の防災計画にならい、県の地域防災計画に防災士の位置づけを明記すべきだと提案しました。
これに対し県側は、防災士が平常時の啓発活動や、災害時の避難支援、避難所運営などで中心的な役割を担うことが期待されていることを説明し、今後、国の計画も踏まえ、地域防災計画への防災士の明記について前向きに取り組んでいきたいとの見解を示しました。
次に、今年7月30日にロシア・カムチャッカ半島沖で発生したマグニチュード8.8の大規模な遠地地震に伴う津波警報への対応を取り上げました。この遠地地震は揺れを体感しないため、県民が危機を実感しにくく、海辺にいた人々の避難意識が低いなど、対応に課題があったと高崎議員は指摘しました。
県は、この遠地地震による揺れを伴わない津波に対し、人的被害はなかったものの、一部市町村で津波警報発令に伴う避難指示が発令されなかったことや、災害情報共有システムへの入力遅延、真夏の避難における学校等の空調設置の必要性など、市町村の連携や対応に課題があったと認識を示しました。
県はこれらの課題を受け、津波対策の専門家の意見を聴取した上で、津波警報発表時は人命を最優先とし、市町村間で統一的な対応が図られるよう、避難指示の発令基準を地域防災計画等に明記することを対応方針として取りまとめました。
また県は、情報共有システムの操作訓練を通じて迅速な情報共有の重要性を再認識させたほか、強い揺れを伴わず危険を体感しないまま押し寄せる津波の発生可能性について、今後も県民への啓発を深めていく考えを述べました。
高崎議員はこれを受け、人命の確保が何よりも優先されるとして、人命最優先の取り組みを継続するよう県に要望しました。