10月6日、茨城県議会公明党の山本美和議員は、「双葉水害減災を目指す会」代表の山本佐代子さんとともに、つくばみらい市の小田川浩市長を訪ね、広域的な浸水対策について意見交換しました。地元の市議会議員も同席しました。
6月に発生した取手市双葉地区の浸水被害は、床上浸水が324棟、床下浸水が240棟に上りました。国土交通省の雨量計では、双葉地区のある旧藤代町の6月2日から3日にかけての24時間降水量は230ミリで、市内歴代2位の記録となりました。気象庁のデータでも、上流のつくば市で6月1か月間の平均雨量(131.8ミリ)の倍以上の雨が2日間で降りました。双葉地区は水田に囲まれ、東西南側の三方を小貝川と牛久沼に挟まれた地域です。その地形のため、雨水は地区内2か所のポンプ場(計5機)でくみ上げて南側の用水路「大夫落(だいぶおとし)排水路」に流し、さらに南東側の新川第一、第二排水機場を通じて小貝川に放出しています。しかし、今回の大雨では、上流から大量の雨水が流れ込んだ影響で、末端の新川機場の排水が追いつかず、機場に接続する用水路や周囲の田んぼからあふれた水が流れ込んだのが一番の要因です。浸水要因については内水氾濫の典型事例だといえます。
また、双葉地区の水害の特徴は、その要因が広域的な水管理に起因していることが挙げられます。小貝川はもとより周辺の河川からの直接的な溢水(または越水)は確認されておらず、周囲の水田などから流入した水が双葉地区に水害被害をもたらしました。
この地域の農業用水は福岡堰土地改良区が管理しており、大規模な降水が予測される際は、事前に農業用水への取水を制限し、用水の水位を下げるなどの対応が必要になります。こうした、河川管理だけではなく、農業用水も含めた広域的な浸水対策を講ずることが必要になります。
茨城県議会公明党では、取手市のみならず上流のつくばみらい市などとの連携強化も必要であることから、今回、小田川市長との意見交換を行ったところです。
席上、「双葉水害減災を目指す会」の山本代表が、双葉地区の被害状況を報告。小田川市長からは、つくばみらい市の被災状況などが説明されました。内水氾濫の対策を進めるためには、土地改良区との連携が不可欠であることを確認しました。