6月21日、大井川知事は記者会見で、新たな茨城県のベンチャー支援策について発表しました。
茨城県は、地域の強みを活かし、ベンチャー企業の創出・育成に全力を尽くしてきました。過去5年間(2019-2023年)におけるベンチャー企業の資金調達額は、従前の3倍以上となる累計約160億円を記録しました。これは、県が一気通貫で支援を行い、多岐にわたる施策を展開してきた成果と言えます。
茨城県のベンチャー支援は、技術シーズの掘り起こし、起業支援、マッチング支援など、多岐にわたります。2014年から2018年にかけては約50億円の資金調達が行われ、2019年から2023年には約160億円に達しました。特に、ニューヨークのERAとの連携による海外展開支援プログラムや、「TSUKUBA CONNECT」を通じた投資家とのマッチングなどが成功を収めています。また、県内のものづくり企業との連携により、高い技術力を活かした成長支援も行われています。
2023年度には、資金調達を実現したベンチャー企業が続々と誕生しました。例えば、レアメタルリサイクル事業を展開するエマルションフローテクノロジーズ株式会社や、熟練製造技術のAI開発を手掛ける株式会社LIGHTzなど、地域発の革新的な企業が注目を集めています。
茨城県は、これまでの成功を踏まえ、さらなる支援の強化を図っています。具体的には、「茨城ベンチャーフレンドリー宣言」をもとに、官民の両面から成長を加速させる施策を打ち出しています。県内外の投資家に向けた大規模ピッチ会の開催や、県経営者協会との連携によるマッチング交流会の実施などが計画されています。
さらに、県はベンチャー企業の製品・サービスの公共調達を推進するため、「茨城ベンチャートライアル優良商品等創出事業者(IVT事業者)認定制度」を創設しました。この制度により、認定された事業者は県との随意契約が可能となり、実績のないベンチャー企業でも市場への参入がしやすくなります。
茨城県のベンチャー支援策は、地域全体で挑戦者が成長しやすい環境を整えることを目指しています。大学や研究機関、県内ものづくり企業との連携を強化し、外部リソースを最大限に活用することで、ベンチャー企業の成長を支援します。また、公共調達の促進を通じて、県内ベンチャー企業の優れた製品やサービスを広く普及させることにも注力しています。