茨城県の話題

令和5年度のふるさと納税実績、374億円余りに。県内トップは境町の99億円超

令和5年度のふるさと納税の実績がまとまり、8月2日、総務省が発表しました。
これによると、茨城県内の寄付額は過去最高を記録しました。昨年度の茨城県および県内市町村へのふるさと納税による寄付金額は、合計で374億1900万円に達し、前年度比で45%増加しました。茨城県は全国で8番目に多くの寄付金を集めた地域となり、ふるさと納税の取り組みが県内で着実に広がりを見せていることが明らかになりました。
特に注目すべきは、茨城県内で最も多くの寄付金を集めた境町です。昨年度、境町へのふるさと納税は99億3800万円に達し、7年連続で関東の自治体で最も多くの寄付金を集める結果となりました。境町の成功は、返礼品の充実だけでなく、子育て支援や高齢者支援といった自治体独自の取り組みにも支えられています。
ふるさと納税の使い道を見てみると、境町では「スーパーグローバルスクール事業」を通じて、家庭環境に関わらず子どもたちが英語に触れられる環境を整えています。フィリピン人ALT(外国語指導助手)を各町立保育園や小中学校に常駐させ、日常的に英語に慣れ親しむ授業を提供していることが、ふるさと納税の寄付金を活用した一例です。また、英語力を実際に活用する場として、姉妹都市のハワイ州ホノルル市とのホームステイ交流事業も行われています。
さらに、境町ではスマートシティの推進にも力を入れています。特に高齢者を対象とした自動運転バスのスマートバス停設置や災害情報の提供を通じて、地域の安全性と利便性を向上させる施策が展開されています。
一方、日立市でもふるさと納税の使途は多岐にわたります。例えば、給食費の無償化や日立総合病院への支援、日立駅前の再活性化事業など、市民生活の質を高めるための予算がふるさと納税から充当されています。日立市への寄付金額は22億2200万円に達し、こちらも多くの寄付者からの支持を得ています。
ふるさと納税は自治体ごとの特色ある取り組みを支える重要な財源となっており、その成果が寄付額の増加として表れています。茨城県内の各自治体が今後も独自の魅力を発信し、さらなる寄付の増加を図ることが期待されます。ふるさと納税は、地域活性化の一助となるだけでなく、寄付者自身が応援したい地域やプロジェクトに直接貢献できる素晴らしい制度であり、今後もその意義が広く認識されることでしょう。