山本美和 教育 議会質問

山本美和議員の一般質問「中学部活動の地域移行」

2024年9月11日県議会一般質問が行われ、県議会公明党の山本美和議員が、質問に立ちました。 山本議員は、少子化と教員の負担軽減を目的とした中学部活動の地域移行が進んで現状を指摘しました。その現状の中で、地域社会全体でこの移行を支える必要があり、受け皿となる地域スポーツクラブの整備が急務であると強調しました。 また、つくば市など重点地域での課題に関する事業が進行中であり、その成果が期待されるとしました。

中学部活動の地域移行重点5市

土浦市では、「多様なスポーツ体験機会の提供」という政策課題に対し、行政主導で立ち上げた「土浦市地域クラブ活動推進協会」が中心となり、野球やサッカーなどの4競技において地域クラブを運営し、これまでの学校単位ではなく、地域クラブを対象とした、新たな大会の開催を計画しています。
つくば市と高萩市においては、「体育・スポーツ系の大学生、パラアスリート等を含むアスリート人材等の活用」という政策課題に取り組んでいます。
つくば市では、これまでも、筑波大学が単独で陸上競技やテニス、ハンドボールなどのスポーツ教室を実施し、近隣の小中学生へのスポーツ体験機会を提供しておりましたが、今後は、大学に加え、市スポーツ協会とも連携したスポーツイベントなどを開催し、さらに地域移行を進めることを計画しています。
高萩市では、2019年の茨城国体で開催地となったウエイトリフティング競技について、地域に根差したスポーツとして普及を進めており、国内トップ選手を輩出している早稲田大学と連携を図っています。
守谷市では、「企業版ふるさと納税等を含む民間資金の活用」という政策課題に取り組んでおり、市がふるさと納税の仕組みを活用した「ガバメントクラウドファンディング」により、地域クラブ活動を維持・運営していくための財源を確保する取組を計画しています。
神栖市では、「動画コンテンツ等の活用」という政策課題に対し、競技種目のワンポイントレッスンや体幹を鍛えるトレーニング等に関する動画コンテンツを作成・配信し、子供たちが自宅において動画を視聴しながら、練習に取り組むことができるシステムづくりを計画しています。

これら5市の取組に対して、期待される成果としては、以下の3点が上げられます。
まず1点目は、スポーツ教室や体験会の開催により、子どもたちが、これまでの部活動にはない新たなスポーツを発見することができ、多様なスポーツに親しむ機会の創出につながります。
2点目は、大学との連携により大学生を指導者として活用することで、地域クラブの指導者を確保することができるとともに、全国トップレベルの学生から指導を受ける機会を設けることで、子供たちの将来に向けた進路選択も含めて、明確な目標設定につながると見込まれます。
3点目は、クラウドファンディングや動画コンテンツを取り入れることで、地域移行の課題である、地域クラブ参加費等の保護者負担軽減や練習に参加するための移動時間、費用の緩和など、持続可能な地域クラブ運営につながります。県が設置した地域移行推進会議の中で取組に対する検証を行い、具体的な成果や課題を年度内に開催予定のシンポジウムにおいて情報発信してまいります。