茨城県議会公明党は、人口減少や社会情勢の変化に対応し、県民の皆様が安心して暮らせる「新たな茨城」を築くため、精力的に活動を続けています。
このたび、令和8年度からスタートする次期県総合計画の策定に向け、県議会に設置された「未来を拓く新たな茨城づくり調査特別委員会」において、調査報告書(最終提言案)が取りまとめられました 。この提言は、人口減少という厳しい現実を正面から受け止めつつ、県民誰もが幸せを実感できる社会の実現を目指すための重要な羅針盤となるものです 。
■最終提言の概要:人口減少社会でも「幸せ」を感じられる茨城へ
今回の最終提言では、最大の課題である人口減少対策を軸に、5つの重点項目を柱として掲げました 。
1.新しい夢・希望
国内市場の縮小傾向にある中で、本県農林水産業・経済の持続的な発展のため、県産品や工業製品の輸出促進が重要な戦略となります。また、若者の県外流出を食い止め、東京圏からの人材還流を促進するための効果的な支援が必要です。社会全体のデジタル化推進により社会課題の解決を目指すとともに、県民の愛着度が低い要因を分析し、地域への愛着の醸成を図る行政運営を行います。
2.「挑戦する県庁」への変革
県民本位の行政サービス向上のため、デジタル化が進む中でも職員の接遇の重要性を再認識し、働き方改革を推進します。また、限られた財源を効果的に活用するため、データに基づく政策立案(EBPM)を推進し、生成AIの効果的な活用や行政手続のキャッシュレス化、県庁全体でのDX推進を加速させます。
3.新しい豊かさ
地域経済の発展と若者が望む質の高い雇用の創出に向け、成長分野の企業誘致を戦略的に展開する必要があります。また、農林水産業については、生産コストの削減や農地の集積・集約化を加速させ、気候変動リスクに対応した「儲かる農業」の実現を推進します。さらに、観光を成長産業とするため、本県を宿泊地とするインバウンドの取込みを強化し、観光消費額を伸ばすことが重要です。
4.新しい安心安全
高齢化に伴い増加する交通弱者に対応するため、まちづくりや人口減少対策の視点から地域公共交通の維持・確保に取り組みます。医療分野では、医師確保が特に必要な地域・診療科への取組を推進するとともに、医療現場でのICTやDX導入を促進します。また、議員提案条例「健康寿命日本一を目指す条例」を踏まえ、DXや生成AIを活用した健康づくりの推進や、単身高齢者等への支援体制整備、空き家活用の促進にも取り組みます。
5.新しい人財育成
将来の職業選択の幅を広げるため、学校教育において基礎学力の定着促進に加え、理数教育、金融教育、主権者教育に力を入れる必要があります。また、少子化対策として、市町村との連携強化を図りながら「日本一、子どもを産み育てやすい県」の実現に向けた支援を強化します。外国人材の増加に対応し、不当な差別のない社会の実現や外国人労働者の定着促進も重点項目です。

■村本議員の具体的な提案
この特別委員会において、村本修司議員は生活者の視点に立った具体的かつ建設的な提案を数多く行い、その主張の多くが最終提言に盛り込まれました。
住まいと暮らしの安心を守る 村本議員は、増え続ける空き家問題について、相続や処分などの悩みを一元的に引き受ける「ワンストップ相談窓口」の設置を提案しました 。これが提言に反映され、県が市町村を支援し、空き家の活用や移住促進につなげる方針が明記されました 。 また、高齢者や単身世帯が民間住宅への入居を断られるケースがあることを指摘し、県営住宅が「最後の砦」として、またコンパクトシティの中核として機能するよう求めました 。この視点は、「誰もが安心して暮らせるための住宅支援」として、県営住宅の在り方を時代に合わせて変化させるという形で提言に組み込まれました 。
「生きる力」を育む教育と子どもの権利 教育分野では、高校生などに対する金融教育の重要性を強調しました 。単なる投資の知識ではなく、社会保障や税、ライフプランを含めた「生活に根差した金融知」こそが必要だと訴え 、これが「金融教育の充実」という項目で、若者が主体的に判断できる力を養う教育として位置づけられました 。 さらに、子どもを単なる保護の対象ではなく「権利の主体」として尊重し、その声を県政に届ける仕組みづくりを提案 。これも「子どもの権利擁護の推進」として提言にしっかりと位置づけられています 。
地域経済と交通の未来を描く 経済面では、最先端産業だけでなく、地域経済を支える既存の中小ものづくり企業への支援波及を強く要望しました 。これを受け、提言には「既存のものづくり企業への支援」という項目が設けられました 。農業においても、気候変動による災害や高温障害への対策として「気候レジリエンス(耐久力)」を高める視点を提起し 、提言内で「気候変動リスクへの対応」として採用されています 。 地域公共交通については、市町村任せにするのではなく、県が主導してDXやAIなどの最新技術を導入し、「公共交通の先進県」を目指すべきだと訴えました 。この熱意は、県が広域的な視点でデジタル技術導入を主導するという提言内容に結実しました 。
実効性のある計画づくりへ 計画そのもののあり方についても、村本議員は「絵に描いた餅」にしないための工夫を求めました 。政策の効果を測定する数値目標(KPI)について、なぜその指標が必要なのか、根拠を明確にした上で、県民に分かりやすく設定することを提案 。提言では「分かりやすく、効果的な数値目標の設定」として、KPIの適切な設定と検証の必要性が明記されています 。
私たち公明党議員会は、今回の提言が次の総合計画に確実に反映され、県民の皆様お一人おひとりの生活がより豊かで安心できるものになるよう、引き続き全力で取り組んでまいります 。
